『自画像のゆくえ』

だれもが感じているように、現代ほど「わたしがたり」に

あふれかえった時代はこれまでになかった。

世界的にその傾向にあるのかもしれないが、

日本ではこの傾向がとくに顕著であるようにも思われる。

(中略)

本書は、私なりの想像力をつけくわえて試みた、

自画像の歴史をめぐる、

21世紀人のためのツアーである。

ツアーは過去から順をおって、やがて20世紀へといたり、

最後はふたたび私たちが生きている

この現代(=「自撮り/セルフィー」の時代)に

もどってきたいと思う。

 

「はじめに」より 

『自画像のゆくえ』森村泰昌 著

2019年10月17日発売

定価(本体1,500円+税)

ISBN 978-4-334-04437-4

光文社新書

判型:新書判ソフト

 

出版社へのリンクは コチラ から


新著刊行記念トーク


 “自画像” というテーマをモリムラ独自の視点からとらえ直した

新著『自画像のゆくえ』(光文社新書、2019年10月発刊) について、

刊行記念トークのアーカイブ映像より一部ご紹介いたします。

 

こちら映像は モリムラ@ミュージアム 内にある

記憶の樹 (Library & Salon) にて収録されました。
収録日時:2019年12月1日 (日)

 

ご紹介された作品

さて、これらの作品はどのような位置付けで紹介された作品でしょうか?トーク映像の中で見つけてみてください。

関根正二《三星》1919年

萬鉄五郎《赤い目の自画像》1912〜1913年

 

をもとにそれぞれモリムラが扮装した写真作品です。

 

左:青春の自画像(関根正二/星になれ)2016年

右:青春の自画像(萬鉄五郎/赤い目) 2016年

 

自画像のゆくえの参考図書

森村泰昌が刊行記念トークの中で『自画像のゆくえ』をさらに読み解くにあたりご紹介した図書です。

  1. 小林秀雄 著『ゴッホの手紙』(2004) 新潮社.
  2. 松本竣介 著『人間風景』(1990) 中央公論美術出版.
  3. 鳥原学 著『写真のなかの「わたし」』(2016) 筑摩書房.
  4. 田中英道 著『画家と自画像』(2003) 講談社.
  5. 木下長宏 著『ゴッホ〈自画像〉紀行』(2014) 中央公論新社.
  6. 鷲田清一 編著『大正=歴史の踊り場とは何か』(2018) 講談社.
  7. 森村泰昌 著 『自画像のゆくえ』(2019) 光文社.

参考図書にはさまれている付箋の数々はモリムラ本人によるものです。

本を読み解く上でのブックマークがうかがえる貴重な資料写真です。

セルフポートレート写真 (自画像的写真) をつくりつづけてきた美術家が

約600年の自画像の歴史をふりかえりながら綴る「実践的自画像論」

ご興味持たれましたら、ぜひともご購入のうえご一読ください。